デザインリニューアルを成功させる依頼のコツ

リニューアルを成功させるデザイン依頼には共通項があります

デザインリニューアルをしたいけれど
「どのように依頼したら良いデザインになるのか分からない」
「以前リニューアルに失敗したので進め方が不安…」
などの声をよくお聞きします。

弊社では40年を超える歴史の中で、さまざまなデザインリニューアルに携わらせていただきました。
中には「結果が出るリニューアル」と「結果が出ないリニューアル」がありました。
その原因を紐解くと、いくつか共通項があります。

本記事では、デザインリニューアルを成功させる良い結果を出すために気をつけるべきことや、デザイナーに依頼する際のコツをお伝えします。

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①達成したい目標・解決したい課題を共有する

デザイナーや制作会社へデザインリニューアルの依頼をする際に
「こんなデザインにしてほしい!」
「どんな色を使うといいと思うんだ」
「こんなフォントを使えないか」
「写真よりイラストの方が可愛いからいいと思うんです」
など具体的な表現方法を指示してしまうことはありませんか?

もちろん要望はお聞きしたいのですが、本当にお聞きしたいのは
・リニューアルを通して、何を解決したいか
・どんな目標を達成したいか
・どんな意図を表現したいか
などの、目的戦略です。

例えば具体的には下記のような内容です。
ex. 新しい販路開拓/ファン化の促進/商品の認知拡大 など求める効果
ex. A社という競合他社との差別化強化/30代女性のユーザー獲得/コンビニへの導入 など売り場・ユーザー
ex. 前年比00%アップ/年間売上00000万円/配下率00% など数値目標

どんな目的に向けてリニューアルを行うのかを共有し、ゴールの共通認識をつくります。

「デザイン」というと、色やカタチなどのビジュアル表現をとして捉えられがちです。
ですが、広義の意味では「設計・計画」といった意味があります。

デザイナーは課題解決や目的達成のために、情報を整理しアイデアを組み立て、それらをビジュアル化する仕事をしています。
なので、解決・達成したいことを明示されていることが、リニューアルを成功させる大切なコツの1つです。

関連記事:デザインの価値とは?企業活動を活性化させるデザインマネジメント

②ユーザー目線を組み込んだデザイン決定基準とフロー

「どのような基準でデザインが決められるのか」はデザイナーが気にするポイントの1つです。
よく起きうるトラブルとして、デザイナーとやりとりしている担当者は「良い」と判断したのに、上層部の確認をとると判断が覆ることが多く、進行が難航する・・・。
あげくにプロジェクトが中断してしまう・・・。
これは、決裁権をもつメンバーの判断基準が統一されていないため起きる現象です。

プロジェクトを始める際に下記のようなことを整理しておくとスムーズにデザインを決められます。
・決裁者(誰が最終の意思決定をするのか)
・決定フロー(役員会でデザインを答申する/部長から社長へなど)
・デザインで一番伝えたいこと(伝える相手・現状どう伝わっているか・情報の優先順位)
・ブランドガイドラインやレギュレーション・トーン&マナーなどビジュアルの基準

ただし、決定基準において一番大切な要素は「ユーザー目線」です。
独り善がりならぬ自社善がりになってしまわないように、常にユーザーの目線を意識することが必要です。
どのように決定フローや基準に組み込んでプロジェクト進行をしていくかも、成功への重要な要素になります。

私たちがお手伝いしている会社様でも実際に市場でテスト販売をしたり、リサーチをされることもあります。
予算が難しいなどの場合は、関係者内のユーザー像に近い人たちにアンケートをとる、という工夫もできますので、ぜひ一度試してみてくださいね。

参考:アイディーエイ制作 イメージボード

③「ユーザーニーズ」「商品・サービスの価値」を整理する

リニューアルに限らず、デザインをする際に重要なことが「ユーザーが共感できる独自の価値を提供できるかどうか」です。

・ユーザーが何を求めているか
・自社の商品やサービスはどんな価値を提供できるか
この2つが合致すると非常に強みのあるデザイン開発が可能です。

【事例】お土産パッケージリニューアルのプロジェクト
ご依頼内容:四国で行われる瀬戸内芸術祭の「お土産商品だと認知されるパッケージにリニューアルしたい」
この時、弊社からお客さまに「観光資源と紐づいた商品の魅力や価値の情報整理」をお願いしました。
その結果、観光資源と商品価値の掛け合わせについてお話しをすすめることができ、具体的な方向性のすり合わせができたことによって、リニューアル成功の確率が上がったオリエンテーションになりました。

上記のように、自社が提供できる価値・魅力を改めて整理することで、意外なデザインの切り口を導き出せることもあります。

自社が提供できる価値・魅力の例:
ex. 原材料の産地・品質/独自の生産方式/創業当初からの思いなど譲れないこだわり
ex. 味・食感/収納性・時短・環境性/高品質・耐久性 など機能的価値
ex. 満足感・充足感/ワクワク感・高揚感/安らぎ・リラックス効果 など情緒的価値

ユーザーが「何に共感しているか」や「何が伝わっていないか」のようなユーザーニーズから検討できる情報を整理します。
その上で「競合には真似できない独自の価値」が何なのかを明確にしていきます。
目指すイメージの方向性や強めるべき情報を整理でき、依頼内容も整理できます。


私たちが情報を整理したり導き出すために使うことが多いのが3C分析です。
3C分析をすることで、外部環境として「市場・顧客」「競合」、内部環境として「自社」を分析し、客観的な目線で成功要因を導きやすくなります。

ユーザーに選ばれる価値を抽出する3C分析

まとめ

ここまで依頼において重要な考え方をお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
いずれもデザイン依頼側・デザイン制作側が内容を共有し、共通の認識を持つことが大切です。

コツ①達成したい目標・解決したい課題を共有する
コツ②ユーザー目線を組み込んだデザイン決定基準とフロー
コツ③「ユーザーニーズ」「商品・サービスの価値」を整理する

自社の関連部署内でリニューアルを依頼する際の取り決めや整理する情報のフォーマットなどを作成し、他の商品で実施する際にも活用できるような仕組み化をされると、さらにより良い効果を見込めるかもしれません。

参考記事:デザインのクオリティを上げる!オリエンシートの使い方

せっかく費用をかけて依頼されるデザインを費用対効果の高いものにするために、ぜひ依頼のコツを掴んでオリエンテーションしてみてくださいね。

デザインリニューアルの事例も以下よりご覧いただけます。
よろしければ参考にご覧ください。

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ブラックサンダーらしさを見つめ直したリニューアル

Writer

AYA MATSUDA

岡山本社 アカウントプランナー。 中小企業をメインに業界を問わずデザインやブランディングを提供。 昨今ではSNSの運用やWeb解析などデジタル戦略でも企業のブランドをサポートしている。

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