自社の理念と価値を魅せる「企業ロゴマーク」のポイント
コーポレートサイトとは?役割と必要項目一覧を徹底解説
2024年01月12日
コーポレートサイトとは、企業が顧客や求職者、株主などさまざまなユーザーに対して自社の商品やサービス、会社概要といった情報を提供するサイトです。コーポレートサイトを設置することにより、ブランディングが行えるほか企業情報にアクセスしやすくなるなどのメリットがあります。
当記事では、コーポレートサイトやその他サイトとの違い、コーポレートサイトの役割や設置に必要な情報などを紹介します。自社ブランドに課題を感じている方や、コーポレートサイトの立ち上げを検討している方は必見です。
1. コーポレートサイトとは?
コーポレートサイトとは、企業が自社を紹介する目的で運営する公式サイトです。顧客や取引先、求職者、株主などに対して、会社概要や提供サービスの紹介、採用情報といったさまざまな情報を提供しています。
コーポレートサイトは、一度制作すれば24時間いつでもユーザーが求める情報を提供できます。問い合わせ対応やサービス説明のコンテンツ、資料ダウンロードなどによる事業貢献も期待できるでしょう。
一般的に、ビジネスや求職活動における情報収集はオンラインで行われます。コーポレートサイトは「企業とユーザーの最初の接点」になる可能性が高いことから、企業の印象を決定づける大きな要因となるでしょう。そのため、効果的なコーポレートサイト制作の重要性が高まっています。
1-1. コーポレートサイトとその他のサイトの違い
企業のサイトには、コーポレートサイト以外に複数の種類があります。各サイトの特徴やコーポレートサイトとの違いについて1つずつ見ていきましょう。
・サービスサイト
サービスサイトは、商品やサービスの詳細情報を提供するサイトです。商品やサービスの魅力を伝えて認知度を高め、販売促進を目的に制作します。
幅広いユーザー向けに情報発信を行うコーポレートサイトとは異なり、サービスサイトの主な対象は見込み顧客です。そのため、商品やサービスの情報をメインに、導入事例や口コミ、資料ダウンロードといった購入意欲を高める情報を多く掲載します。
・ECサイト
ECサイトは、オンラインで商品やサービスを購入できるサイトです。サイト内に決済システムが整っていることが特徴です。
ECサイトは、企業イメージや信頼性を重視するコーポレートサイトよりもデザインの自由度が高い傾向があります。ブランドイメージや対象ユーザーに合わせたデザインで制作されることが多いでしょう。
・ブランドサイト
ブランドサイトは、ブランドやサービスの価値を広く認知してもらうためのサイトです。ブランドの世界観や誕生した背景などを含めて、ブランドの魅力を伝えます。
企業紹介を主な目的とするコーポレートサイトと違い、ブランドサイトの目的はブランド価値や魅力をユーザーに発信してファンになってもらうことです。最終的にはブランドに愛着を持ち、商品やサービスを継続して利用する顧客の獲得を目指します。
・採用サイト
採用サイトは、採用情報の掲載に特化したサイトです。求職者が必要とする情報をスムーズに得られるように、採用スケジュールや職場環境、社員のインタビューなどを掲載します。
コーポレートサイトに掲載できる採用情報の量には限りがあります。採用サイトでさらに詳しい情報を届けることで、魅力が伝わらず応募意欲を高められないケースや、入社後のミスマッチを防げるでしょう。
2. コーポレートサイトの役割
コーポレートサイトは複数の役割を果たしており、制作することでいくつかのメリットを得られます。以下ではコーポレートサイトが担う3つの役割を詳しく解説するため、1つずつ見ていきましょう。
2-1. 企業のブランディングを行える
コーポレートサイトを活用して、ユーザーに一貫した企業イメージやメッセージを伝えることで、ブランディングに役立ちます。ブランディングとは、企業が自社の商品やサービスについての明確なメッセージを発信して、他社との差別化を図る取り組みです。
コーポレートサイトは幅広い情報を掲載しているため、顧客や求職者、投資家といったさまざまなユーザーがアクセスするサイトです。コーポレートサイトをブランディングに活用すれば、一貫したイメージで広く認知してもらえるでしょう。
認知を獲得し、信頼や商品価値を高めることで、「ユーザーが商品を選択する際に選ばれやすくなる」といったプラスの効果が期待できます。
2‐2. 企業の情報にアクセスしやすくなる
コーポレートサイトは、企業の情報発信における中心的な役割を果たすことから、ユーザーを企業情報にアクセスしやすくする役割があります。
コーポレートサイト以外に、サービスサイトや採用サイトといった複数のサイトを運営している企業は多いでしょう。コーポレートサイトと企業が持つほかのサイトをリンクすれば、ユーザーが自然とさまざまな情報にアクセスしやすくなります。
例えば求職者には、コーポレートサイトで事業の全体像を紹介しつつ、リンク先の採用サイトで社内制度や社員インタビューなどの情報を提供します。投資家には、企業の基本情報に加えて、リンク先のサイトで今後の成長性やIR情報を伝えるなど、投資判断に役立つ情報提供が可能です。
顧客や求職者、投資家が「コーポレートサイトを起点」に自分の求める情報にアクセスしやすくなり、ニーズに合う過不足のない情報を得られます。アクセスしたユーザーはコーポレートサイトに掲載される関連情報にも触れることになるため、新たなチャンス獲得も期待できるでしょう。
2‐3. 問い合わせにつながる
コーポレートサイトは、問い合わせなどのユーザーからのアクションを獲得する役割も担っています。
コーポレートサイトには、問い合わせフォームが設置されることが一般的です。問い合わせフォームは時間帯を気にせず利用でき、ユーザーの関心が一番強いタイミングでスムーズにアクションを起こせます。そのため、新規顧客やビジネスチャンス獲得の可能性が高まるでしょう。
コーポレートサイトを通して企業やサービスの魅力が伝われば、問い合わせだけでなく、求職者からの応募増加、資料ダウンロード数の増加なども期待できます。
特に、求職者は応募前にコーポレートサイトをチェックする人が多い傾向にあります。求職者の応募数を増やしたい場合は、研修制度や安心して働ける環境が整っていることなど、求職者のニーズをくみ取って情報を充実させておくことがおすすめです。
3. コーポレートサイトに必要な情報
ここからは、コーポレートサイトに掲載する情報の種類について解説します。
コーポレートサイトの掲載情報は、企業の規模や事業内容によって異なるものの、基本的に必要な情報の種類は大きく変わりません。以下では、情報の種類ごとに必要な項目やポイントを見ていきましょう。
3-1. 会社概要
会社概要は、企業の「自己紹介」にあたるページです。企業の基本情報であり、コーポレートサイトに掲載がないとユーザーの信頼低下をまねく恐れがあるため、忘れずに制作する必要があります。
会社概要には、会社の正式名称や代表者名、本社所在地、資本金、設立日などを掲載することが一般的です。本社以外の支社や事務所の情報も載せましょう。
企業によっては、電話番号やアクセス方法、従業員数、取引先の銀行名、簡単な事業内容などを入れているケースもあります。アクセス方法を入れる場合は、訪問する人に向けて地図情報も表示すると親切でしょう。
3‐2. 経営理念
経営理念として、企業が事業を行う目的や目標をコーポレートサイトに掲載しましょう。企業の信念を明文化して伝えることで、ユーザーからの信頼獲得につながります。
経営理念とあわせて代表のメッセージを掲載することも効果的です。企業を率いる代表の言葉は、コンテンツを見るユーザーにより強い印象を与えてくれます。
経営理念を掲載すると、どのような価値観や判断基準を持っている企業なのか、求職者が理解しやすくなります。結果的に、経営理念に共感する求職者からの応募が増え、より優秀な人材を獲得しやすくなるでしょう。
3‐3. 最新情報
最新情報を目に入りやすい場所に設置し、頻繁に更新しましょう。「コーポレートサイトが常に最新の状態になっている」と伝わり、情報の信頼性が高まります。
最新情報に掲載する情報の種類が多い場合は、分類表示がおすすめです。IR情報や採用情報、プレスリリースなどに分け、ユーザーが目的の情報にアクセスしやすいように工夫しましょう。
3‐4. 事業内容
事業内容は、企業が提供する商品やサービスを説明するページです。魅力を伝えるコンテンツのため、商品やサービスの価値、類似のサービスとの違いがユーザーに伝わるように、整理して情報を届けましょう。
複数の事業を展開している場合は分けて説明し、それぞれの顧客ニーズに合わせて表現やデザインを工夫することがおすすめです。より魅力が伝わりやすく、高い反応を獲得しやすい傾向があります。
ユーザーが事業内容を見て商品やサービスに関心を持ち、より詳しい情報を求めることも考えられます。サービスサイトのリンクやダウンロード資料を用意するなど、ユーザーがニーズに合わせて情報を得られるように導線を用意しましょう。
3‐5. 実績
実績ページでは、実際に自社商品やサービスを導入した事例を紹介します。企業の魅力をより具体的にアピールでき、信頼獲得に役立ちます。
特に初めて取引する場合は、知らない企業への依頼に不安を感じる人も多いでしょう。過去の実績がコーポレートサイトに掲載されていれば、検討段階のユーザーが安心感を得やすくなります。
事例の公開許可を得られるようなら、お客さまの名前や依頼前の課題、効果などを、実際の数字を示しながら説明することがおすすめです。課題解決の過程や効果などが具体的にイメージしやすくなり、依頼決断の後押しにつながるでしょう。
3‐6. 問い合わせフォーム
問い合わせフォームは、ユーザーが企業に対して問い合わせする際の窓口です。コーポレートサイトに設置すると、ユーザーと企業の双方向でのコミュニケーションが可能となり、迅速な対応によるユーザー満足度の向上も期待できます。
問い合わせフォームは、電話と違いユーザーが時間を気にせずに連絡しやすい特徴があります。企業側も電話対応の負担を軽減できるため、問い合わせフォームの設置は、双方にメリットがあると言えるでしょう。
ユーザーによっては、「より詳しい情報を欲してはいるものの、問い合わせするほどではない」といった検討段階にいる場合もあります。ユーザーが関心度合いに適したアクションを起こせるよう、資料のみの請求やダウンロード専用フォームも用意しておくと、機会損失を防ぐ効果が期待できます。
3‐7. 採用情報
コーポレートサイトに採用情報を掲載することも重要です。
求職者は応募する企業を慎重に選んでおり、必ずコーポレートサイトを閲覧していると言っても過言ではありません。コーポレートサイトで求職者に充実した情報を提供することで、他社との差別化を図れます。効果的なアピールが可能となり、自社に適した人材採用を実現できるでしょう。
募集ポジションや給与、休日といった基本条件のほかに、働く環境や求める人材、キャリア育成のプランなども掲載し、詳しく説明してください。採用後を具体的にイメージできるような情報を提供すると、求職者が自分に合う企業か判断しやすく、採用後の定着率も高まります。
採用サイトも運営している場合は、コーポレートサイトに基本的な採用情報を掲載しつつ、リンクを設置して連携させましょう。
3‐8. 社員紹介
社員紹介は、採用情報とページを分けて制作することがおすすめです。求職者以外にも社員紹介を見てもらえるため、メディア関係者や投資家などにも、企業の社風や魅力を感じてもらえるでしょう。
社員紹介は、多くの場合インタビュー形式やブログ形式で掲載されます。インタビュー形式は情報を整理して簡潔に伝えやすく、社員が発信するブログ形式は親近感やリアルな社風が伝わるメリットがあります。ユーザーに与えたい印象を考えて制作するとよいでしょう。
3‐9. IR情報
上場企業の場合は、IR情報を集約して掲載することも大切です。
IR情報とは、株主や投資家向けに企業が開示する、業績や財務状況などの情報です。有価証券報告書や決算短信、法定開示資料などのさまざまな情報をコーポレートサイトに集約することで、株主や投資家が情報収集しやすくなります。
IR情報ページで投資家が必要とする情報を積極的に提示して、企業経営の透明性をアピールしましょう。信頼を獲得し、投資に値する企業であると判断されれば、さらなる投資を促す効果も期待できます。
3‐10. CSR
CSRに取り組んでいる場合は、コーポレートサイトで公開しましょう。
CSRとは、「企業の社会的責任」を意味する言葉です。企業活動において、環境や次世代に配慮した責任ある行動を取ること、説明責任を果たし適切な意思決定を行うことを求める考え方です。
環境問題や社会問題への注目の高まりから、CSRへの取り組み姿勢を見て、企業の将来性を評価している投資家も少なくありません。
CSRの取り組みには、社会貢献や地域貢献、適切な情報開示、法令順守など、さまざまな活動が含まれます。企業イメージや社会的評判の向上にもつながるため、取り組んでいる活動がある場合は掲載するとよいでしょう。
3‐11. よくある質問
問い合わせが多い内容をまとめて、よくある質問としてコーポレートサイトに掲載することもおすすめです。
問い合わせが多い内容は、ほかのユーザーも疑問を持つ可能性が高いと考えられます。よくある質問に回答を掲載しておくことで、疑問を持ったユーザーが情報検索した際にすぐに解決できます。企業にとっても問い合わせの件数を減らせるため、ユーザーと企業側の両方の手間を軽減できるでしょう。
よくある質問は、掲載しきれない情報の補足にも役立ちます。質問の内容について詳しく解説しているコンテンツが別にある場合は、回答とともにリンクを付け、情報へのアクセスを促しましょう。
4. コーポレートサイトを制作する方法
コーポレートサイトを制作する際は、自社で制作する方法と、制作会社に依頼する方法があります。それぞれの方法におけるメリット・デメリットを解説するため、制作方法を判断する際の参考にしてください。
4-1. 自社で制作する場合
サイトを制作できる社員が社内にいる場合は、コーポレートサイトの自社制作が可能です。制作費用を抑えられ、定期的な情報更新やリニューアルに社内で対応できるメリットがあります。
ただし、高いクオリティのコーポレートサイトを制作するには、スキルやノウハウが必要です。コーポレートサイトはどのような企業かを知ってもらうためのサイトであり、サイトのデザイン性やクオリティによっては、訪問したユーザーに不安を与えかねません。
社員の退職や異動で、サイトの維持が難しくなる可能性もあります。自社で制作する場合は、担当者の育成や長期的な運用体制を整えることが必要です。
4‐2. 制作会社に依頼する場合
制作会社は豊富なノウハウや知識をもつ専門家のため、依頼するとクオリティの高いコーポレートサイトを制作できます。自社では気づかないようなデザインや、ユーザーが使いやすいサイト設計を提案してもらえるケースもあるでしょう。
ブランディングや人材獲得など、「より成果につながるコーポレートサイト」を制作でき、社員も本来の業務に専念できるメリットがあります。
デメリットは費用がかかる点や、イメージ通りのサイトが完成するとは限らない点です。依頼内容によって金額差が大きく、機能やサイト規模によってはさらに高額になる場合もあります。
イメージ通りのコーポレートサイトを制作するには、企業が希望するイメージを制作会社と正確に共有することも大切です。制作を丸投げするのではなく、希望するデザインや色合い、制作の目的などを共有すれば、よりイメージに近いコーポレートサイトが完成するでしょう。
まとめ
コーポレートサイトとは、企業が顧客や取引先、求職者に対して自社のさまざまな情報を紹介する目的で運営する公式サイトです。コーポレートサイトに掲載する情報にはいくつか種類があり、代表的な種類には会社概要・経営理念・事業内容などが挙げられます。
コーポレートサイトを制作する方法には、自社で制作する方法と制作会社に依頼する方法があります。クオリティの高いコーポレートサイトを制作したい場合は、豊富なノウハウや知識をもつ制作会社を選びましょう。